【これで解決】レッスン料〜月謝の相場は?決め方を徹底解説|ピアノ教室・音楽教室
レッスン料〜月謝を決めるとき
大手よりちょっと安いほうがいいかな
でも正直、高くできれば助かる
。。。けっきょく、どうしたら。。。
となってしまう先生も多いのではないでしょうか?
本記事では、
- 安いレッスン料だとどうなるのか
- 時間や回数はどうしたらいいか
- こども〜シニアなどどうしたらいいのか
といったことについて、事例とあわせてご紹介していきます。
※値上げの方法については、以下をご覧ください
1.おおまかな価格設定について
1-1.大前提:どれぐらいの売上になるか(どれぐらい必要か)
まず最初に整理しておきたいのが、自分にどれぐらいの売上〜利益が必要なのか(目指したいのか)という点です。
先生によって
・音楽教室だけで生計を立てたい
・家族の扶養に入っているので50〜100万以内でおさめたい
など、ご事情が変わってくると思います。
さらに細かくいうと、経費として「場所代」や「発表会代」なども計上できるので、売上から経費を差し引いた「利益」も大きく変わってきます。
それぞれの計算式は
年間の売上 = レッスン料 × 生徒数 × 12ヶ月
利 益 = 売上 ー 経費(場所代、発表会代、文房具、活動の移動費など)
具体的に計算してみると
売上= レッスン料8,000円 × 生徒数20名 × 12ヶ月 = 1,920,000円(192万円)
利益= 売上1,920,000円 ー 経費500,000円 =1,420,000円(142万円)
となります。
1-2.ライバルの相場は調べてOK
ひとによっては「相場は気にしなくてよい」という意見もあるのですが。。。
結論、当サービスでは「お調べいただいてOK。ただし、気にし過ぎは良くない」というスタンスです。
まず以下、ざっくりとした全国相場をまとめました。
(詳細は生徒の年齢やエリアによって異なります。ご参考までに)
例えば、YAMAHAさんやカワイさんなどの大手だと「幼児7,000円〜」「中学生以上10,000円〜」で設定されている印象です。
個人だと3,000円ぐらいからやっている先生も見かけますが、少数派なのでそこまで気にしなくても大丈夫かと思います。
よくある考えとして「大手よりちょっと安くしたほうがいいかな」というのは、スタートの金額としては妥当ですが、先生の指導力や実績によっては、より高い金額でもうまくいくことが多いです。
ご心配であれば、すでに高額な月謝でうまくいっている先生や、わたしたちに相談してみてください。
1-3.基本的に安いほど集客力は上がる
当たり前ですが、基本的に安いほうが集客力は高まります。
さらに、生徒さんの「満足度のハードル」も下がるので、離脱リスクも減らすことができるのがメリットです。
ただし当然ですが、デメリットとして売上は下がりますし、いわゆる「安さ目当て」の生徒さんも集まりやすいので、自然と練習して来ない生徒さんなども増えやすくなります。
もちろん、先生の指導によっては「うちはみんな練習してきますよ」という教室もあると思いますし、そもそも「うちの教室では、練習してこなくても楽しく続けてくれればOK」「売上もあがらなくて大丈夫」というスタンスでしたら問題ありません。
1-4.途中から”値上げ”の選択肢もある
最初は安い金額から生徒さんを集めて、すこしずつ値上げをされるお教室もあります。
大切なのは「生徒さんの満足度」なので、状況をみながら検討してみてください。
※値上げ方法についてはコチラ
2.レッスンの回数について
最近では「年間40回」といった形式で、年間回数を表示する教室が増えてきました。
当サービスでサポートしている教室でも「年間38〜42回」の教室が多いように思います。
大手教室では「40〜42回」が週流になっています。
2-1.月間の回数でおおまかに割り出す
まず、月に何回レッスンするかで、おおまかな目安がでてきます。
- 月4回コースの場合 ×12ヶ月 =年間48回
- 月3回コースの場合 ×12ヶ月 =年間36回
- 月2回コースの場合 ×12ヶ月 =年間24回
ここから、以下のように年間行事や祝日などによって調整します。
2-2.年間のイベントを参考に調整する
たとえば月4回をベースにしている場合でも、「お正月」「ゴールデンウィーク」「お盆休み」などをお休みにすると、月によって3回になるときが出てきます。
あるいは、祝日などは振替レッスンにすることで月4回を維持することも可能です。
以下、お休みの目安です。
- 年間36〜40回=正月、GW、お盆、祝日など休みやすい
- 年間42〜44回=祝日でもレッスンしたり、振替レッスンが必要なときも出てくる
- 年間48回以上=基本的に祝日でもレッスン。または振替レッスンが必須
当サービスとしては、振替レッスンは調整が大変なので「年44回以上」はあまりオススメしていません。
生徒さん(保護者さん)としても「年間40回以下のほうが助かる」というご意見も多いです。
(ちょっと余談)時間単価について
しっかりと経営したい先生の場合は「時間単価」を出すことで、レッスン料や売上のコントロールをしやすくなります。
時間単価は「レッスン時間/回数/金額」の3つの要素で計算されます
以下、ご興味があれば計算してみてください。
(例えば)
・月4回/1回60分/8,000円の教室の場合
=8,000円÷60分÷月4回
=1分あたり約33円(1時間あたり2,000円)
・月3回/1回60分/8,000円の教室の場合
=8,000円÷60分÷月3回
=1分あたり約44円(1時間あたり2,666円)
3.進級〜コース設定について
たびたびご相談いただくのが
「進級やコースをどうしたらいいか。。。」
「保護者さんに説明しづらい。。。」
というお話しです。
以下、ポイントをまとめました。
3-1.「子供のレベル」で金額を変えるのは説明がむずかしい
生徒さんのレベルにあわせて進級して「コース」や「金額」を変える方法です。
この方法のメリットは、先生の判断によって生徒に適切なコース・金額をお願いできること。
ただ、進級する「定義」があいまいになりやすいので、生徒さんや保護者さんへの説明が難しくなります。
大手さんのようにガチガチに<使用するテキストなどによって「グレード」を設計>している場合をのぞき、個人教室でいろいろなテキストを使用する場合は、説明に納得してもらうための材料を考えましょう。
3-2.「学年」で区切るのはバランスとりやすい
学年によってコースを決める場合は、年齢にあわせて自動的に「必要なレッスン時間」や「金額」を決めることができます。
生徒さんにも分かりやすい設計ですが、金額が上がるタイミングで辞めるきっかけになる可能性もあります。
また良くも悪くも、学年みんな同じコースになるので、見込みのある生徒さんがいても集中的なコースをご案内しにくかったり、あまり練習をしてこない生徒さんにも時間を充てることにストレスを感じたり、という先生もいるかもしれません。
その場合は、
- 基本的には学年で区切る
- 進むペースが早い生徒には特別コースを用意する
という風に設計するとスムーズです。
3-3.「時間」で区切るのが1番”納得感”がたかい
もっとも生徒さんに納得してもらいやすいのが「時間」で区切る方法です。
例えば「30分 5,000円」「45分 7,500円」といった枠で区切ります。
生徒さんの進み具合によって柔軟に対応できるのと、生徒さんに時間を決めてもらうのでクレームの心配も減ります。
一方で、見込みのある生徒さんがいたとして、先生としては「そろそろ45分から60分枠に変更してしっかり指導したほうが良い」と思ったとしても、保護者さんに「うちの子は45分のままで大丈夫です」と断られてしまうことも。
生徒さんとしっかりコミュニケーションがとれる環境であれば、先生と生徒の両方が納得しやすいシステムです。
4.決めるときの極意・ポイント!
4-1. 集客を考える場合のポイント
目先の集客力において大切ポイント(自分でコントロールしやすいポイント)は、
- 価格設定
- 先生のもっている良いところ(実績、人柄、教室の場所など)
- ホームページやSNSの見やすさ、生徒ウケの良さ
になります。
そのうえで以下の要因などの影響を受けて、集客力が決まります。
- ライバルの強さ
- ライバルの数
- 周辺人口
4-2. 場所やご実績などで不利なら、最初は安くするのもアリ
集客力のポイントのうち「価格設定」は、先生ご自身で1番コントロールしやすく、集客に直結するポイントです。
ですのでまだご実績が少なかったり、教室のアクセスが不利だったりする先生は、相場よりすこし安くしたほうが良いかもしれません。
その場合、生徒数が増えてきて軌道にのってきたタイミングで値上げするのがオススメです。
4-3. 自信があるなら相場より高価格でスタート
集客のポイントに自信があれば、相場より高いレッスン料・月謝でスタートしても全然問題ないと思います。
ただ1点だけ、高価格でスタートすると集客はむずかしくなります。
その場合は、「好印象なホームページ」か、「ポイントをおさえたSNS運用」などのツールが最低限必要です。
どれだけ先生に実績や指導力があっても、それを生徒さんに分かってもらえるツールがなければ集客はできません。
もしツールがない場合は、時間をかけて「地元のご評判・口コミ」があがってくるのを待つ必要がありますので、生徒が定員になるまで数ヶ月〜数年かかるのは覚悟しましょう。
4-4. ほかがマネできない武器があれば高価格にしやすい
高価格を実現するには、いわゆる「差別化」がとても重要です。
分かりやすい例だと
- 音大へ進学する子がとても多い
- 発達障害の子でも集中力が身につく指導ができる
- 英語もいっしょに学ぶことができる
- 先生の実績がすごくて憧れられる
などです。
ほかの教室ではなく「先生のところで習いたい」という理由が作れると、一気に高いレッスン料でも運営できるようになります。
4-5. 要注意!レッスン料が高いなら「自作HP」「テンプレート型のHP」は△
高価格でスタートする場合は「価格にみあったレッスンをしてくれる教室」であることを生徒さん(保護者さん)に納得してもらってはじめて集客が可能です。
もしもライバルがめちゃ弱い場合は、そこまでうまく説明できなくても良いので「自作HP」「テンプレート型の激安HP」で大丈夫なこともあります。
ただ、ライバルがそれなりに頑張っている場合には「教室に通う理由、メリット」を充分に伝えてくれるツールが必須です。
先生ご自身でマーケティングを猛勉強するか、信頼できるホームページ業者などに依頼してみましょう。
5. 長期的には「満足度」がたかければレッスン料が高くてもOK
当たり前ですが、結局は生徒さんの「満足度」さえ高ければ、レッスン料は高くてもそれほど問題になりません(厳密に言うと、周辺人口や所得層も関係ありますが)。
ここでいう「満足度」というのはおおまかに
- 専門知識の豊富さ
- 教え方の経験値
- 円滑なコミュニケーション
- 通いやすい教室環境
- 発表会のようなコミニュティ
などです。
当然、安いレッスン料であればすこしぐらい教え方やコミニュケーションに問題があっても満足度は高くなります。
逆に高いレッスン料であれば、それに見合った指導やコミュニケーション力が求められます。
まとめ:先生の個性にあったレッスン料・コース設定にしよう
満足度を高めるためには、先生がもっとも”力を発揮できる環境”が大切です。
ご自身がどういうタイプなのか、どういうコース設計にすれば気持ち良く指導ができるのか、を整理してみてください。
先生の個性にあわせたレッスン設計のパターン2選
パターン①
「指導力はそこまで自信がないけど、コミュニケーションには自信があって、たくさんの生徒さんがみたい」
という先生の場合
- テーマ:誰もが楽しく通える音楽教室
- 月謝 :すこし安い〜相場と同じぐらい(5,000円〜8,000円)
- 回数 :月3〜4回(年間36〜40回)
- コース:時間枠で決める(1回30分、45分、60分など)
※生徒さんのイメージ
たくさんの生徒さんが気軽に入会してくれやすいです。
良くも悪くも「本気でピアノをやりたい」というよりは「とりあえずやってみよう」という生徒さんも多くなります。
先生次第で生徒さんのモチベーションや練習量が左右されやすいです。
パターン②
「指導力には自信がある、ただコミニュケーション面であう・あわないがある」
という先生の場合
- テーマ:音大進学者がたくさんでるようなハイレベル教室
- 月謝:高め〜相場とおなじぐらい
- 回数:月4回〜(年間40回〜)
- コース:進度で先生から提案
※生徒さんの解説
地元のご評判がついてくるまでは集客が難しいですが、ある程度「本気でピアノをやってみたい」「高くても良い指導を受けたい」と思ってスタートされる生徒さんが集まりやすくなります。
一方で先生の指導力も試されますので、生徒さんや保護者さんからの目も厳しくなりやすいです。
※補足
このやり方の場合は、多少あわない生徒さんが出ても、気持ち良く送り出して、あう生徒さんを大切にされている先生が多いです。